マザコン男性、ファザコン女性とは結婚したくない…。そう心のブロックをして、婚活の視野を狭めていませんか? 前回に続き、マザコン・ファザコンになる理由を科学的に解き明かしていきます。
◆男の子と女の子では生まれつき識別する物に違いがある
男と女は、生物学的に生まれながらに脳の思考回路が違うとされています。どちらがより優れているか?ではなく、単に「違う」というだけなのです。
ケンブリッジ大学の研究者グループが赤ちゃん102人を対象に行った調査で、男の子は生まれつき「動く物体」のほうに興味を示し、女の子は生まれつき「人の顔」に興味を持つという結果を発表しています。この違いが生じる理由は、目の構造の性差にあるそうです。(※引用元:レナード・サックス著『男の子の脳、女の子の脳」』草思社)
また、解剖学者のエドウィン・レパートのグループは、男性の網膜が女性の網膜よりかなり厚いことを発見し、女の子は「物の識別に関わる課題」が得意なのに対し、男の子は「物の位置をつきとめる課題」のほうが得意としていることがわかったとのこと。
男性は生まれながらに勝敗にこだわる競争下に身を置く生き物ですから、遥か昔の原始時代から「動く」ものに無意識に反応し、自分に降りかかる危険から身を守り、闘わなければなりませんでした。
一方で女性は、わが身に子を宿す性のため、群れをなし、人の和の中に入り、安全なテリトリーを築き、手と手を結ぶことにより子を育てる環境を整える必要性がありました。そのために、生まれながらに「人の顔」を認識し、人とコミュニケーションが結べる思考回路へと発展して行ったとされています。
◆男の子はシステム化能力、女の子は共感能力に長けている
このような男女の思考回路の違いから、自然に男性の意識は外に向き、人間関係に馴染みにくい傾向になり、女性は人間関係に馴染みやすい傾向があると言えるのです。
また、イギリス、ケンブリッジ大学のサイモン・バロン=コーエン博士は、男性はどちらかといえばシステム化能力、女性はどちらかといえば共感能力に長けているという男女の特質の違いを説きました。(※参考:サイモン・バロン=コーエン著『共感する女脳、システム化する男脳』NHK出版)
男性は勝つか負けるかの競争社会で成り上がって行く性なので、社会人として働くようになれば、そのシステム化能力をいかんなく発揮し、仕事を通して社会に貢献する喜びを覚え、人間社会でも自分のアイデンティティを確立させられるでしょう。
ですが、日本では中学生までは親(保護者)のもとで義務教育を受ける権利があり、親のもとで一緒に暮らすのが普通です。そんな中、女の子よりは人間関係に馴染みにくい男の子はどのようにして人間関係を学ぶのでしょうか? それは、生まれてはじめて身近に接する「母親」から関係性を学ぶと私は説いています。
一方、女の子は、男の子より人間関係により早く馴染み、より資質の高い男性を選ぶ見極め力を養うのです。よって、男の子より女の子のほうが人を見る目が大人びておませなのはそのためですね。
◆男の子は母親から生活環境の影響を強く受け、女の子は資質の高さにこだわる
共働きであっても、母親は子どもの生活習慣のしつけを担うのが通常の流れです。
母親は、人との接し方から交流の仕方を教え、カラダの健康状態を良好に保ち、健全な心を育てるための衣食住の快適さを与えてくれる存在です。よって、母親の存在は、基本的に絶大なる力を持つといっても良いでしょう。
そのため、男性はまだまだひとり立ちできない幼子であればあるほど、心理状態がマザコン傾向に傾いていなければ生きて行く指針を失い、路頭に迷いやすくなると言っても過言ではありません。私の経験や私の周りの母親の経験話からも、男の子の母親に対する無条件の信頼の厚さは立証済みです。
一方女性は、自分自身が女性の性を生まれながらに持つため、本能的に人間関係の中で自分がどうすれば賢く生きて行けるか?を、早い段階から理解できます。まだ言葉も覚えつかない幼き子でも母親に対して苦言を言うという話はよく聞く話です。
そのため、父親に求めるのは、生きて行く術というより「資質の高さ」に集中します。自分に投資してくれる「資質の高さ」により、自分がより快適に生活できることを、本能的はもちろんのこと、母親を通しても知っているからです。よって、生まれてはじめて接する男性である父親には、当然の如く期待大きく頼りにしつつも、ときに厳しい目で接するでしょう。
次回からは、マザコン・ファザコンの利点と攻略法・克服法を、当研究所のデータも交え、それぞれ解説していきます。