ボトックス(ボツリヌストキシン)注射の効果と持続時間について

今、あらゆる世代の女性に人気なのがボトックス注射です。ボトックス注射の効果はさまざまですが、とにかく痛みがほとんどなく施術時間も短時間なのに、それでいて大きな効果が期待できるという点が受けているのです。ここではボトックス注射の効果や持続時間についてまとめています。知っている人もぜひおさらいしてみてくださいね。

■ボトックスって?

ボトックス注射のボトックスとは、ボツリヌストキシンというボツリヌス菌が出す毒素のことです。「毒素」と言われると、ちょっとドキッとしてしまうかもしれませんが、ボトックス注射の注入量は、致死量の100分の1以下とも言われ、濃度も非常に薄いので、一度に注射を何百本と打たない限り命にかかわることはありません。
また、ボトックス注射はこれまで長い歴史がありますが、正しく使用すれば人体への問題はないとされています。

■ボトックス注射は何に効く?

ボトックスには筋肉の働きを抑制させる働きがあるため、代表的な効果としては、表情筋によってシワができている場合にシワの解消が期待できます。また、筋肉によってエラが張って顔が大きく見える場合、エラに注射すれば小顔効果が期待できますし、ふくらはぎの筋肉が発達している場合はふくらはぎ痩せが期待できます。

ただし、ボトックスの性質をしっかりと把握していないと、思うような効果を得ることはできないでしょう。骨格が張り出していたり、脂肪がついているせいで顔が大きく見える場合やふくらはぎが太い場合は、ボトックス注射をしても効果を感じることはできません。
また、たるみによるシワにもボトックス注射は効きません。通常、症状に対してボトックスが効果的かどうかは医師が判断しますが、適切なすすめ方でない場合は、注意しておく必要があるでしょう。

■多汗症にもボトックス注射

ボトックス注射は発汗の作用を抑えることもできるので、多汗症の人にもおすすめです。脇の下以外にも、額や手の平、足、うなじなどに注入可能で、施術から3日~1週間程度で効果が実感できるとされています。

■ボトックスの持続時間

持続時間には個人差がありますが、エラに注射する場合は半年から1年程度だとされています。しかし、4ヶ月~半年ほどに1回のペースで定期的に注射することで、持続期間が長くなったり、場合によっては半永久的な効果が期待できることもあるようです。表情筋によるシワなど、注入量が少ない場合でも効果は3~4ヶ月持続します。

ただし、注射の頻度によっては肌に耐性が生じ、期待できる効果が減弱することもある為、施術の適切な頻度を担当医師と相談することが大切です。

ちなみに多汗症治療を目的としてボトックス注射をする場合は、1回の注入で3~6ヶ月効果が持続するとされているので、汗が気になってくる4月、5月くらいに注射をすると快適に過ごせるのではないでしょうか。

■ボトックスのデメリット

よくある副作用として、隠れていた眼瞼下垂症状が自覚されるようになることがあります。もともと眼瞼下垂症がある方は、知らず知らずのうちに額や眉間などの筋肉も使って瞼を挙げようとしていますが、ボトックス治療によりそれらの筋肉の作用が抑えられてしまいますので、それまでは気付かなかった眼瞼下垂症が明らかとなるのです。

また、表情筋がうまく使えず目が開きにくくなったり、引きつったりする可能性もありますが、適量を適切な箇所に注入すればそういった問題は起こりにくいと言えるでしょう。いずれにせよ、経験のあるしっかりとしたクリニックを選ぶことが大切ではないでしょうか。
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監修者

長崎大学医学部医学科卒業。東北大学形成外科非常勤講師を経て水沢形成外科医院を開院。医師としての大半の期間を過ごし、形成外科医として育んで戴いた東北の地で、多くの方々のご協力のもとこうして皆様と共に歩めることは、私にとって身に余る大きな喜びです。