婚活で「マザコン」男性・「ファザコン」女性はマイナスイメージを持たれることがありますが、実はその両者には自分の理想とする婚活を引き寄せるヒントが隠されているのです。それはなにか？を科学的に解説します。
◆思春期のカラダの変化は、ライバルたちとの闘いのゴング
人はなぜ、「マザコン」「ファザコン」になってしまうのか？その謎を、人間のカラダの成長過程から解き明かしていきましょう。
人には、「思春期(第二次性徴)」と呼ばれる性ホルモンの分泌が劇的に活発化する時期があります。皆一律にヒョロヒョロだった子どものカラダが、その期を境に大人のカラダへと見事に変貌します。
男の子は、睾丸で生産される男性ホルモンであるテストステロンの作用で、声は低くカラダは身長が伸び、骨格もしっかりと形成され、肩幅広く筋肉隆々の男らしい「男のカラダ」へと成長します。
女の子は、卵巣で生産される女性ホルモンであるエストロゲンの作用で、皮下脂肪に厚みが増し、ウェストがくびれ、丸く柔らかくふくよかな乳房とお尻を身にまとい、メリハリある女らしい「女のカラダ」へと成長します。
では、なぜそのような劇的なカラダの変化があるのでしょうか？
それは、異性と恋愛（生殖活動）をするためです。
男らしさや女らしさは、異性獲得のための準備なのです。いうなれば、ライバルたちとの闘いのゴングです。ゴングは、本人が望む望まない関係なく鳴り響き、自我の心を芽生えさせます。また、ずっと仲良しだった友だちさえ、いつ自分のライバルとなるかわからない危うさや緊張感まで否応なしに連れてきてしまうのです。
自我の芽生えとともに自覚する自分の心
思春期を経験した誰もが一度は身に覚えがあるでしょう。自我と異性獲得の心を芽生えさせられた男女は、ときに学校の先生や親に反抗して自分の意思表示をしはじめます。様々なことが心の中で葛藤し、対立しはじめます。
人間の心には、もともと多くの対立する原理が働いているというある説があります。そう説くのは京都大学名誉教授で臨床心理者の河合隼雄氏。中でも「母性原理と父性原理の対立」はとても重要であると語ります。また、河合教授は、この対立原理バランスのとり方により、社会や文化の特性がつくり出されてゆくと考えられています。
〔母性原理は、「包含(ほうがん)する」機能によって示され、すべてのものが絶対的な平等性をもち、子どもの能力や個人差に関係なくすべてが可愛いという心理です。一方、父性原理は「切断する」機能にその特性を示し、すべてのものを切断し分割することにより、能力や個人差に応じて選択するのです。
この対立するふたつの原理は、世界における宗教や道徳、法律などの根本において、ある程度融合しながらどちらか一方が優勢であり、片方が抑圧される状態で存在する。日本は母性原理優勢で皆が平等の受容による救済を支持するのに対し、キリスト教は父性原理に基づく宗教とし、神を信じ神との契約を結び守る民こそ救済することを明白にしている〕(※引用元：河合隼雄著『母性社会日本の病理』講談社α文庫)
日本はマザコン大国なのか？
河合教授が指摘するように、日本は母性原理の強い国と言われています。日本は島国で、現代は核家族化や少子化が進んでいる社会なだけに、マザコン性の高い男性が多く育っているのでしょう。
マザコンとは、男性が母親に強く執着する心理状態を指しますが、一般的にはネガティブな心理状態との触れ込みがあるため、女性の誰もが嫌がる心理的傾向とされています。大好きな彼が実はマザコンだったと気づいたとき、人によっては「はい、さよなら～」と手を振り彼のもとから去って行く人もいらっしゃるでしょう。恋愛において特に女性には避けて通れない問題といえます。
ですが、そこで彼のもとから離れるのはまだ早いのです！私はあえて、この心理的傾向を逆手に取り、恋愛攻略に上手に組み入れ活用しましょうと提案します。結婚を考えている人は、特に有効な攻略方法だと付け加えて置きましょう。
次回、なぜ離れるのがまだ早いか？を含め、もう少し深く検証していきます。
