【脱毛 2】医療レーザー脱毛

肌にレーザー光を当てることで、活動中の毛根にダメージを与え、毛を生成できないようにする施術です。

1. 医療レーザー脱毛とは

レーザー光による脱毛方法で、クリニックなどの医療機関のみで行なえる施術です。
その熱により、発毛を抑制する目的で、毛根の周りの細胞にダメージを与えて毛の再生力を弱らせます。
一度で全てを取り除くことはできないので、毛周期(毛が生え変わるサイクル)に合わせて、何度かに分けて照射を続けます。
医療行為とみなされるので、施術は医師のみに許可されています。

施術の目安

通院回数
3~6週間ごとに1回(毛のサイクルによる)トータル3~6回
 1)照射 1回目
 2)照射 2回目
 3)照射 3回目…
施術時間
トータル 30~60分 施術時間 10分
ダウンタイム
なし
 直前・直後は日焼けを避ける
 入浴・メイクは腫れがなければ当日からOK
料金
ワキ 1回 2万円前後
上記はインターネットから収集した平均的な情報です。実際の症例やクリニックによって異なりますので、詳しくは診察にてご確認ください。

2. 脱毛用レーザーの種類

脱毛に使用されるレーザーは何種類かありますが、脱毛効果に大きな違いはないようです。
それよりも照射パワー(出力)をどのくらいの強さにするか、施術を受ける方の毛や肌の状態などに結果が左右されます。

日本人の毛や肌の質に適したレーザーはおもに「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「ヤグレーザー」の3種類とされています。それぞれ光源やレーザーの届く距離、得意とする毛質などに違いがあります。

■アレキサンドライトレーザー
国内内外でもっとも多く使用されているレーザーです。
波長が最も短く、アレキサンドライトという宝石を光源にしています。ショット式で処理します。
黒色に反応しやすく、メラニン色素や日本人の黒い毛に強く反応します。
そのため脱毛だけでなく、毛穴の黒ずみ・くすみ・シミ・ニキビ痕・毛穴の引き締めなどの美肌効果も期待できます。
その一方、黒に反応しやすい分、日焼けした肌や色素沈着の多い部位には、火傷(やけど)のリスクが高くなるため使用できません。

例)アメリカ・キャンデラ社「ジェントルレーズプロ」など

■ヤグレーザー
アレキサンドライトレーザーと似た構造をもつレーザーで、特徴やメリットなどはほとんど同じです。しかし、アレキサンドライトのようなショット式とは異なり、ヤグレーザーには蓄熱式脱毛というタイプもあり、熱エネルギーでムダ毛の細胞を処理していきます。
蓄熱式脱毛であれば、日焼けした肌や、肌の浅い部分にある毛や、色の薄い産毛にも効果を発揮します。

例)アメリカ・ルミナス社「ライトシェアデュエット」、ドイツ・エスクレピオン社「メディオスターNeXT PRO」、イスラエル・アルマレーザーズ社「ソプラノアイス・プラチナム」など

■ダイオードレーザー
最も波長の長いレーザーで、肌の深部まで届きます。前述の2種にくらべて痛みが強いとされますが、日焼け肌・色黒の肌・色素沈着のある部位に照射しても火傷のリスクが少なく、深い毛根にダメージを与えることができます。
例)アメリカ・キャンデラ社「ジェントルヤグプロ」、「ラ・フィーユ」など

初めての照射は様子を見ながら

レーザーの出力を強くすれば脱毛効果は高くなりますが、同時に火傷などで肌を傷めるリスクが高くなります。
これを避けるために、実際に施術を受けるときに、医師の診断により医療スタッフが出力の強さを調整して、行っていきます。最初は弱めに照射して、肌に悪影響がないか様子を見きわめてから、2回目以降にだんだん強くしていくことが多いようです。
もし施術中に痛みが強いと感じた場合はすぐにスタッフに伝えて、あせらず無理のないように施術を受けましょう。

3. エステの光脱毛との違い

医療機関で行なうレーザー脱毛は、医師や看護師など資格を持つスタッフが、医療用の出力(強いエネルギー)のマシンを使って、毛根をしっかり処理するため、少ない照射回数で生えてくるムダ毛を減らすことができます。
医療機関であれば、もし火傷や肌荒れなどの肌トラブルになった場合も、すぐに治療や薬の処方などのフォローを受けることができます。

一方、エステサロンでは法律により医療用のマシンが使用できないうえ、国家資格のないスタッフが施術を行なうため、肌の表面までの施術しかできません。そのため、弱い出力の光脱毛(フラッシュ・IPL)の照射のみとなり、毛根まで処理することが難しく、一時的に毛が細くなったり少なくなっても、ムダ毛を根本から減らすことができません。
またムダ毛が少なくなったと実感できるまで、多くの回数を通院しなければなりません。
さらにもし火傷や肌荒れなどの肌トラブルが起こった場合も、エステサロンでは治療を行なうことができません。

そのため脱毛は医療機関で受けておくほうが、効果もしっかり得られるうえ、万一の場合にも安心です。

4. 脱毛の範囲

脱毛の範囲

クリニックで設定しているコースによって、範囲が異なります。
部位によって毛の濃さが異なるため、薄くなるまでに必要な照射の回数が異なる場合があります。
例えばワキは6回、腕は4回、うなじは2回、など個人差や部位による差があります。

実際の照射範囲や回数については、各クリニックに直接お問い合わせください。

5. 医療レーザー脱毛はこんな方におすすめ

・早く脱毛効果を得たい方
・永続的に効果を希望される方
・自己処理が面倒な方
・電気針脱毛が苦手な方
・痛みに弱い方

6. 医療レーザー脱毛の施術方法

■前日までに
・日焼けをしないでおきます。
・脱毛する部位のムダ毛を剃っておきます。ただし脱毛するためには毛根に毛が残っている必要があるため、毛抜きは禁止です。

■当日
1)アイマスクの装着
 レーザー光から目を保護するためにアイマスクを装着します

2)クーリングジェルの塗布
 照射する部位にジェルを塗布します

3)レーザー照射
 ジェルの上からアタッチメントをあてて、1ショットずつずらしながら照射していきます。

4)アイシング・保湿・軟膏塗布
・照射が完了したら、ジェルをふき取って、部位を冷やし、最後に保湿液や軟膏を塗布して終了です。

■術後
・術後数日は入浴で熱いお湯などは避け、ごしごし力をいれてこすらないようにします。
・術後はできるだけ日焼けを防ぎましょう。日焼け止めなどをしっかり使います。

■2回目の施術
・毛周期を考慮しながら、3~6週間後に追加の施術を行ないます。

脱毛は秋冬のうちに始めるのがベター

脱毛が完了するまでには約1ヵ月おきに施術を繰り返す必要があり、その期間は日焼けを避けなければいけません。また施術の効果を得るためには毛抜きも控える必要があります。
そのため、夏にすべすべの素肌を目指すなら、脱毛は秋冬のうちに始めるのがベターです。

7. 医療レーザー脱毛のデメリット・注意点・リスク

・一度脱毛が完了しても、妊娠・出産などホルモンバランスの変化によってムダ毛が再び生えてくることがあります。
・施術後は、軽い火傷をした状態と考え、しっかり冷やすようにしましょう。
・施術後は日焼けをしやすい状態になっており、また色素沈着も起こりやすいため、日焼け止めなどで防ぐようにします。

8. 医療レーザー脱毛のよくある質問

Q. よく「痛い」って聞きますが、実際はどうですか?

A. 「輪ゴムをパチンと弾かれたような痛さ」を感じる方が多いようです。
「輪ゴムをパチンと弾かれたような痛さ」を感じる方が多いようです。通いはじめで施術になれないうちは、やはり痛みを感じやすいといわれています。
麻酔を行なっているクリニックなどありますので、クリニック選びの際に1つの選択肢として考えてみることもよいかもしれません。 また、あまりに痛みが強ければ、我慢せずに医師に相談してみましょう。

Q. 費用はいくらかかりますか?

A. クリニック、施術部位、回数によって料金に幅があります。
クリニック、施術部位、回数によって料金に幅があります。1ヵ所を完了するまでに10万~70万円ほどの費用がかかるとされています。
最近は「全身回数無制限コース」「部位別 5回コース」「部位別・都度払い」…などさまざまな料金体系があります。
毛が薄い方は数回で脱毛が完了することもあるため、どのコースがお得なのかは個人差があります。
費用や施術内容などの詳細については、クリニックに確認してみましょう。

Q. 何回くらい通院すればいいですか?

A. 最低でも3~6回の通院が必要とされています。
毛周期に合わせて施術するので、最低でも3~6回の通院が必要とされています。
毛周期は個人差もありますが、だいたい3~4週間程度とされています。そのため、脱毛が完了するまでに半年ほど見ておくとよいでしょう。

Q. 妊娠中でも脱毛できますか?

A. 予期せぬリスクがあるため妊娠中の脱毛はやめましょう。
レーザーの施術を受けても、胎児に直接影響を与える危険性は少ないとされています。しかし、ほとんどのクリニックで、妊娠中の施術には対応していません。
なぜなら、痛みなどの刺激やストレスは母体に良いとはいえず、万一予期せぬトラブルが起きたときに対応できないからです。
また妊娠中は肌質やホルモンが大きく変化するため、いつもより肌荒れや色素沈着などの肌トラブルが起こりやすいと考えられます。
ですから妊娠中は、肌や母体に刺激やストレスを与えないよう、電気シェーバーなどを用いて自己処理するなどが望ましいでしょう。

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