タトゥー除去

【タトゥー除去 1】タトゥー除去の種類と基礎知識

海外アーティストやスポーツ選手などの影響で、日本でもファッション感覚でタトゥーを入れる人が増えましたが、その分、タトゥーを消すためにクリニックを訪れる人も増えています。不要になったタトゥーを消す施術法は、いくつかあります。

1. タトゥー除去の治療法

彫ったときは一生大事にすると決めていても、ライフスタイルや心境の変化でタトゥーが不要になることは少なくありません。また、日本の文化の中では、時にはタトゥーが新生活の妨げになる場合もあります。
もし一度でも消したいと思ったなら、いつまでも過去にとらわれることなく、行動を起こして新しい自分を取り戻してみてはいかがでしょうか?

治療法と内容 侵襲・痛み・ダウンタイム 治療期間(消えるまでの早さ) 料金の目安(5×5センチの場合)
レーザー治療
レーザーを照射
(少) (遅)
2ヶ月おきに3~10回照射(平均 6ヵ月~2年)
5万円×回数
削皮術
肌を削る
★★ ★★
1~2回
※一度で消えない場合は追加施術またはレーザー併用
20~40万円
切除手術
皮膚を切り取る
★★★ ★★★
1~2回
※範囲が大きい場合は数回に分けて切除
10~20万円
皮膚移植
他の部位の皮膚を移植
★★★★(大) ★★★★(早)
1~2回
※範囲が大きい場合は数回に分けて切除
30~50万円

レーザー治療

黒っぽい色に反応するレーザーをタトゥーの部位に照射する方法です。
2ヶ月くらいのスパンを空けて、何度も照射を繰り返し、肌の代謝に応じて少しずつ薄くしていきます。

<こんな方におすすめ>
・切除術に抵抗があり、肌に傷を残さずにタトゥーを消したい方
・濃い色(黒・紺など)のタトゥーの方
・自分で入れたタトゥーの方
・治療期間が長く(数ヵ月)かかってもいい方
・完全に消えなくてもいいから薄くしたい方

レーザー治療を詳しく見る

削皮術(アブレーション)

特殊なカミソリでタトゥーの色素ごと皮膚を剥がし、擦り傷を作ってかさぶたにし、新しい皮膚ができるのを待つ方法です。ケロイドになる可能性もあります。

<こんな方におすすめ>
・広い面積を早く消したい方
・ほかの部位の皮膚を傷つけたくない方
・カラフルでレーザーに反応しにくい色のタトゥーの方
・手術したことがわからないようにしたい方

削皮術(アブレーション)を詳しく見る

切除手術・皮膚移植

柄のある部分の皮膚を切除して、周囲の皮膚を縫う方法です。
色のある部分を切除するので早く確実に取り除くことができます。ただし縫合痕が残りやすいうえ、面積や部位によって、皮膚の引き攣れが生じる可能性があります。

切除法
柄のある部分の皮膚を切除して、周囲の皮膚を縫い縮めます。
<こんな方におすすめ>
・小さいタトゥーの方
・カラフルでレーザーに反応しにくい色のタトゥーの方
・一回で消したい方
・少ない金額でしっかり消したい方

皮膚移植・植皮
柄のある部分の皮膚を切除したところへ、他の部位の皮膚を切って、移植します。
<こんな方におすすめ>
・広範囲のタトゥーの方
・カラフルでレーザーに反応しにくい色のタトゥーの方
・傷が残ってもいいので早急に消したい方

切除手術・皮膚移植を詳しく見る

2. タトゥー・入れ墨の基礎知識

2-1. タトゥーと入れ墨・刺青(いれずみ)の違い

入れ墨・刺青はどちらも「いれずみ」と読み、同じ意味です。
タトゥーと入れ墨もほぼ同じですが、タトゥーの方が針やインクを浅めに入れるとされ、一方の入れ墨は比較的深く、入れ墨の方がくっきりと濃い色が持続する傾向があります。しかし一度入れると落とせないことに変わりなく、また近年は彫り方やインクに違いがないため、両者は同一とされます。このページでは入れ墨や刺青も、タトゥーという表記で統一しています。

2-2. タトゥーを入れる際のリスク

医療機関では行っていないため、下記のようなリスクがつきものです。

感染症のリスク

針で差してインクを入れる施術のため、血液を介した感染症のリスクがあります。
不衛生な環境下、器具の交換なしで施術を行なうような彫り師やタトゥースタジオを選ばないよう注意します。

顔料・インクのリスク

かつては赤色インクとして硫化水銀やカドミウム、水銀由来の顔料といった有毒成分を皮膚に埋入していたためトラブルが多くありました。現在はそういったインクを使用するケースはほとんどありませんが、現在のタトゥー用インクでもアレルギーのリスクがあります。
彫り師やタトゥースタジオのスタッフは医療従事者ではないので、顔料の成分やアレルゲンまでの知識がないことがほとんどで、万一アレルギーが起こった場合のフォローはありません。
特にアレルギーが起こりやすいのは赤・黄色と言われています。ほかにも、鉄、銅、鉛、アルミ、クロム、ニッケル、マンガンなど酸化金属が使われるので、金属アレルギーの方は、タトゥーや入れ墨は控えた方がよいでしょう。

ラテックスアレルギーの発症

彫り師が使う滅菌グローブのゴム成分が、針の傷口から肌に入って、ラテックスアレルギーを発症するリスクがあります。

2-3. タトゥーがあることのデメリット

タトゥーを入れた後に後悔する方が多いため、下記の不都合があることを知っておきましょう。

医療機関でMRI検査が受けられない

がんや脳の疾患など、あらゆる検査で使用されるMRI検査ですが、強力な磁力を当てて体内の画像を撮影します。しかし、タトゥーのインクに含まれる金属成分がこの磁力に反応してヤケドを起こすリスクがあるため、タトゥーのある方は検査を拒否されることがあります。

流行遅れのデザインでも消せない

ファッションに流行りや廃りがあるように、タトゥーにも流行があります。
一生気持ちが変わらないつもりで入れたタトゥーも、いずれ「若気の至り」で恥ずかしく感じる時がくるかもしれません。恋人の名前を入れたけれど別れてしまい、新しい恋人に見せられないという人も少なくありません。
十数年後になってから「この柄はもう流行遅れでダサい」「今の自分とは違う」と思いながら、消えない柄を負担に感じ続けることもあります。

温泉・プール・サウナ・遊園地などの公共施設に入れない

上記の公共施設はもちろんのこと、近年は海水浴場などでも禁止されることが増え、ディズニーランドやUSJなどの遊園地ではタトゥーを隠すことが推奨されています。そのため旅行やお出かけの際に、同行者にも不自由な思いをさせる可能性があります。

スポーツジムの入会を断られる場合がある

ファッションでのポイントタトゥーも含めて入会不可とするジムが多く、隠して入会してもバレたら即退会というケースもあります。

生命保険に入れない場合がある

血液系の感染症をはじめとした疾病リスクがあるため、保険加入を断られることがあります。
タトゥーがあることを隠して加入すると、後で保険金が下りないこともあるので、保険会社に事前に確認しましょう。

結婚や就職などで不利になるケースがある

タトゥーを隠して就職した場合、会社にバレた時点で出世の道が閉ざされてしまうこともあるようです。ライバルに密告されるケースもあります。
また、結婚や交際においては、相手の家庭の考え方によって強く反対される場合もあります。
日本ではまだまだタトゥーや入れ墨に対して反社会的なイメージがあるため、あらぬ誤解を受ける可能性もあります。

未来の家族への負担

将来、子どもが生まれて、プールや旅行へ連れていくなどの楽しいイベントも制約を受けるため、家族に残念な思いをさせる可能性があります。

点滴や注射の邪魔になる

柄を入れる部位にもよりますが、将来、救急外来などで治療を受ける際、タトゥーが妨げになり、点滴や注射の注入場所を探すことが難しいというケースが起こりえます。これにより生命維持のための措置がスムーズに受けられない可能性があります。

タトゥーを除去するのは高額で難治療なうえ、傷痕が残る

入れる時よりはるかに多くの治療費と長い時間と大きな痛みと、一生消えない傷痕が残ります。

タトゥーを除去すると、タトゥー前のようなすべすべの肌は戻りません。
しかし、除去することで精神的に開放され、新生活をスムーズに始められる、前向きに明るく生きていける、恋人や家族と一緒にプールや温泉に行けるなど、数えきれないほどたくさんのメリットがあります。
悩んでいる方は一度、タトゥー除去を行っている医師に相談してみてはいかがでしょうか?

2-4. タトゥー・入れ墨の関連用語

和彫(わぼり)・彫り物(ほりもの)

日本風の絵柄の入れ墨のこと。深く彫るため皮膚が盛り上がることがある。
黒は煤(すす)や炭などの色素、赤は酸化鉄を用いることが多い。

機械彫り

マシンを使って墨を入れる手法。比較的、皮膚の浅い層にインクが入るとされている。

手彫り

マシンを使わずに手作業で墨を入れる手法。皮下組織(脂肪層)まで色素が入っている可能性が高い。

自彫り

針や墨汁などを使って自分で入れたタトゥーのこと。比較的浅い層に入っていることが多く、レーザーで除去しやすいケースが多い。

ワンポイント

小さく1点だけ入れるタトゥーのこと。

筋彫り

ラインになるように描く線。線がメインのデザイン。アウトラインともいう。

ぼかし

墨の濃淡でグラデーションをつけて塗りつぶす手法。シェーディングともいう。

つぶし

塗りつぶすように色を入れる技法。

アートメイク

タトゥーより浅めに色素を入れて、眉毛やアイライン、リップカラーなどに「落ちないメイク」を施す手法です。
施術部位が粘膜に近く、トラブルの多い部位なので、必ず医療機関で施術を受けるようにしましょう。
万一デザインが気に入らない場合は、除去するのが難しいため、クリニックを慎重に選ぶようにしましょう。

2-5. 消せるタトゥー

ファッション感覚で楽しみたい方には、こんなタトゥーがおすすめ。

タトゥーには流行り廃りもありますし、温泉やプールなど社会的な制約があるうえ、結婚や就職などでライフスタイルが変わったときに不要になることが多々あります。
そのため、ファッションとしてタトゥーを楽しみたい方は、最初から消えるタトゥーを選択することをおすすめします。

ヘナタトゥー(メヘンディ)

ヘナという植物の色素で、皮膚の表面に着色。ヘナは髪も着色できます。
茶褐色1色。着色後、2~3日頃が発色のピーク。1~2週間で徐々に消えます。
ヘナタトゥー

ジャグアタトゥー

ゲニパアメリカーナという植物の色素で、皮膚の表面に着色。
紺色1色。着色後、3~4日頃が発色のピーク。1~3週間で徐々に消えます。

タトゥーシール

本物のような質感のタトゥーシール。
カラフル・女性らしいデザイン・和彫り風などたくさん販売されています。
アルコール液やメイク落とし、ベビーオイルなどで落とせます。
タトゥーシール

2-6. 日本でのタトゥー・入れ墨

タトゥーや入れ墨は世界中で古くから行われており、アジアやオセアニア、ポリネシアなどの地域では、魔除けやお守り、ファッションなどの意味が込められていました。
日本でも縄文時代に顔や体に模様を入れた様子が残っているそうです。
しかし、中国など異国文化の流入により、ピアスやタトゥーという体に傷をつける習慣は野蛮だとみなされ、だんだんと廃れていきます。

その一方、戦国時代には戦で倒れても自分だとわかるよう、武士や漁師が指などに目印の入れ墨を入れていたとの逸話もあります。

また江戸時代になると、博打を打つ人が肩にお守りとしてお経の文字を入れたり、遊女が愛の証として「○○命」と客の名を刻んだりしたことで、入れ墨が脚光を浴びるようになります。

しかし江戸時代の中頃に、罪人に入れ墨をする刑罰ができたことで、「入れ墨」=「罰を受けた罪人」というネガティブなイメージが決定づけられてしまったのです。
地域や罪の内容によって、入れ墨の模様が決められていました。腕や顔に一生消えない印をつけられるのがイヤということで、入れ墨刑は犯罪を抑止する効果があったそうです。

その一方で、職人や町人、火消し、歌舞伎役者たちの間では、ファッションとして墨を入れることが流行していました。これは罪人の「入れ墨」とは区別して「彫り物」とよばれていました。現在もある和彫りのデザインは、この時期に大きく花開いたもので、外国人にも人気があったそうです。

けれども明治時代に、近代国家を目指す国にふさわしくないとして、「悪しき風俗」である入れ墨は全面的に禁止されました。

その後、第二次大戦後が終わってから、日本でも入れ墨は禁止されなくなりましたが、いまだに、マイナスなイメージが色濃く残り、ならずものや任侠などに通じるとして、タトゥーや入れ墨は反社会の象徴とみなされる傾向にあります。
ファッションとして入れる小さなワンポイントのタトゥーであっても、禁止される場面が多々あり、日本ではタトゥー・入れ墨がある方は社会生活で不便を感じる場面が往々にしてあるのです。

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