タトゥー切除術・皮膚移植

【タトゥー除去 4】切除術・皮膚移植

すぐにタトゥーを除去したい、しっかり消したい、という場合は、皮膚ごと切除する方法が有効です。

1. 切除術・皮膚移植とは

切除術は文字通り、皮膚を切って取り除く手術です。切縫(せっぽう)術ともよばれます。縫い縮められないほどの面積や、傷痕が目立ってもいいから急いで消したい場合は皮膚移植も有効です。
色や濃さに関係なく、深く彫られた柄も切除できます。ただし、タトゥーの面積が大きく、皮膚にゆとりがない場合は、2~3度に分けて切除手術をしたり、他の部位から皮膚を移植する必要があります。

施術の目安

<切除術(1回法)の場合>

通院回数
3~4回
 1)診察  カウンセリング・治療法提案
 2)施術  局所麻酔・切除・縫合・後処置・安静
 3)抜糸  1~2週間後
 4)術後チェック 治癒・経過チェック
施術時間
トータル2~4時間 手術 15~60分
ダウンタイム
2~4週間
 痛み・腫れ・つっぱり感:2~4週間
 洗顔・シャワー:患部以外はOK
 ※患部を水に濡らすのは数日~2週間後
 入浴 : 抜糸後、腫れがひいたら
 抜糸後は患部に保護テープを貼付けします。
料金
15万円~ 5×5センチサイズの場合
上記はインターネットから収集した平均的な情報です。実際の症例やクリニックによって異なりますので、詳しくは診察にてご確認ください。

2. 切除術はこんな方におすすめ

・1回ですぐに消したい方
・できるだけきれいな肌の状態に戻したい方
・小さいワンポイントのタトゥーの方
・カラフルなタトゥーの方
・色素が深く入っているの方
・目立ちやすい部位の方
・胸やお腹などレーザーや削皮術では対応が難しい部位の方
・除去の傷痕をできるだけ目立たなくしたい方

こんなタトゥーは切除術が難しい

・手足の指、足の甲や足首など、皮膚にゆとりのない部位
・関節にかかる部位
・背中一面、など広範囲のタトゥー

上記は切除だけでの対応が難しいため、レーザー治療や、削皮術(アブレーション)、皮膚移植などを組み合わせて除去します。

3. 切除術(1回法・単純切除術)の方法

切除術によるタトゥー除去(1回法)

ワンポイントなどの小さな面積のタトゥーは1回の切除で除去できます。
タトゥーを囲みつつ、仕上がりが自然になるようなラインを見つけ、切除します。残りの皮膚同士をひっぱって縫合し、つなげあわせます。
このとき、あえて周辺をジグザグに切開・縫合する場合がありますが、これは縫合痕がきれいに目立たなくなるための術式です。

4. 切除術(2回法・分割切除術)の方法

切除術(2回法)の方法

タトゥーが大きい場合は、1度の切除では取り切れないため2~3回に分けて切除します。
まず中心部分を除去することで、残ったタトゥーがだいぶ小さくなります。3か月~半年ほど待って、縫合痕が治癒して周辺の皮膚が伸びてきたら、2回めの切除を行ないます。
ただし、人の皮膚は短期間でそれほど伸びることはないので、この方法にも限界があります。そのため残った部位は、レーザー治療や削皮術など別の方法を併用する場合もあります。

5. 皮膚移植(植皮)の方法

皮膚移植

範囲が広い場合や、一度の施術でとにかくすぐに消したい、という方には、皮膚移植という方法があります。切除した部分を補うように、ご自身のほかの部位から切除してきた皮膚をあてがい、移植します。
ご自身の組織なので拒絶反応もなく、縫合痕が治癒してくると、自分の皮膚として定着します。
しかし、移植した部分の皮膚の色の差がでてしまうことや、境界線がはっきり見えること、他の部位の皮膚を切除する必要があり、そこにも傷痕が残ることなど、デメリットがあります。

また範囲が大きい場合は、移植した痕の皮膚がかなり目立って、ややもすると不自然に仕上がります。
というのは、移植する皮膚は、おもにお尻や太もも上部、背中など他の部位から切り取りますが、タトゥーの範囲が大きい場合は切り取った皮膚を機械でメッシュ状に引き延ばして拡大してから貼り付けます。すると網目のような模様の皮膚になってしまうのです。
また採取した部位にケロイド状の傷痕が残る場合もあります。
そのため、広範囲の除去を行なう場合、これらの特長を理解したうえで治療を受ける必要があります。

6. 他の治療法(レーザー治療や削皮術)を併用するケース

元のタトゥー柄のデザインによっては、切除術だけでなく、部分的にレーザー治療や削皮術を併用した方がよい場合があります。
・飛び出した部分や複雑な形状
・色が単色の部分
・切除が難しい部分(関節や指など)

7. 切除術のメリット・デメリット・リスク

メリット

・ごく小さな部位であれば、切除範囲も小さく、他の治療法と比較してもっともきれいに仕上がります。
・レーザー治療や削皮術では除去できない真皮深くの色素も除去できます。
・皮膚に余裕のある部位であれば、除去の傷痕もそれほど目立ちません。

デメリット・リスク

・広範囲を切除しすぎると皮膚の余裕がなくなり、痛みや強いひきつれが生じます。
・傷痕がケロイドやへこみになる場合があります。
・広範囲に及ぶ場合は、皮膚移植か削皮術などに切り替える必要があります。
・無理な切除を繰り返すと、縫合部位が裂けたり、傷が治癒しないなどのリスクがあります。
・広範囲の皮膚移植の場合、採皮する部位が限られるため、採取した皮膚の面積を拡大する場合がありますが、これにより皮膚の色の違いや盛り上がった状態などが顕著に表れ、仕上がりが目立つ傾向にあります。

8. 切除術についてよくある質問

Q. 胸元のタトゥーを消して、半年後にきれいな肌の状態で結婚式を迎えたいのですが、可能でしょうか?

A. 小さい場合は切除法で対応できます。
大きさや深さ、部位などにもよりますが、2~3センチのサイズであれば、1回の切除で済み、傷痕が目立たないように仕上げることはできます。しかし、傷痕の赤みが半年~1年ほど残るため、その間に結婚式などを希望しているなら、ドレスの胸元を考慮して、傷痕が目立たないデザインを選んだほうがよいでしょう。
面積が大きい場合は、切除術以外の施術になりますが、いずれも半年で色を消すのは難しいので、タトゥーそのものを隠すようなデザインのドレスを選ぶとよいかもしれません。

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