■ファザコンの真のキーパーソンは、父親の影に隠れている「母親」
前々回(8回目)から、理想の男性像につながる「ファザコン」について述べてきました。実は、女性が過度なファザコンに悩まされる原因に母親が深く関与していることが多々あります。
7回目『マザコン男性の攻略法』で、「男性は母親から社会における人間関係を学ぶ」と説きましたが、女性である娘も例外ではありません。子が母親の分身なら、母親は自分の母体である大きな存在。互いに察し合えるとても身近な同性です。
思春期の自我の目覚めとともに、女性は母親を女として見るようになりますので、母親が家庭内でどんな存在であるか?は、娘にとって「男性からどう扱われる女性なのか?」の視点に変わります。母の結婚生活を通して自分を投影させ、自分が結婚した後の自分の未来像をシミュレーションします。
父親に守られ幸せそうな母親の姿を見れば、私もあんな風に幸せになりたいと思い、父親に虐げられ、悲しそうにしている姿を見れば、私はあんな風になりたくないと思うのが通常の女としての感情です。
■父親からの影響を一生受け続ける女性は3割
では、実際に父親からの影響はいかほどなのでしょうか?
当研究所で行ったアンケート結果は、以下の通りです。
◎質問:結婚するなら父親に似た人がいい?
結果:Yes 33%・NO 67%
父親に似た人を好きにはなりたくないと思っていても、実際に恋愛してみると父親に似た人ばかりを選んでいるなんてこともよくあるお話ですが、父親に似ている男性を意識して選んでいると答えた人は3割いらっしゃいました。無意識に似た人を選んでいる人を含めると、もう少し増える可能性があります。
良い悪いという視点より、恋愛や結婚において父親からの影響があることは確かです。
父親に似るのはなにも外見だけでなく、気質や価値観も含まれています。つまり、父親は、一生かけて娘に影響を及ぼすことができる存在だということ。子を守るという意味での日本の社会力がいかに強いかもわかります。
■男性の恋は「攻略」で愛は「守り」、女性の恋は「受容」で愛は「管理」である
男性の“好き”は、攻撃性のある攻略ですが、女性の“好き”は、受け入れる、もしくは受け入れたいの好きです。前回も女性の性を詳しく分析し、解説させていただきましたが、女性は女性ホルモンのエストロゲンが分泌されている大変受容性の高い生き物です。
女性の男性を受け入れるというスタンスは、この上ないフェロモンとなり、男性を誘惑します。攻撃性ある男性を虜にします。そして、受け入れた後は、男性を管理し、独占しようとします。その独占を承諾したのが結婚です。結婚後は、女性は男性を心身ともに健やかに保つようコントロールし、社会で貢献する男性を支えようとします。
男性からの攻略を女性が受け入れる関係性は「恋」で、受け入れた女性を男が守り、女性は守ってくれる男性を管理するところまで行けば、その関係性は「愛」に変わるということです。
父親と母親の男女の関係性は、その「愛」のバランスなのです。男の守りと女の管理の愛のバランスがとれた夫婦は、ふたりで協力し合って健全な愛を育むことができます。その健全な愛からの影響を受けた娘は、愛のバランスの模範として父親を理想的な男性像としてかかげるようになるのです。それをベースに自分のパートナーとなる男性を受け入れる心の器を形成し、男性を向かいいれます。
次回は、心の器(包容力)のカタチがどのようにつくられるのかを説いていきます。